ポーランド政治・社会情勢(4月7日〜13日)

 

1.「法と正義」・「自衛」連立を宣言

 4月13日、政府与党「法と正義」のカチンスキ党首、院内第3党の「自衛」レッペル党首とマルチンキェヴィチ首相が記者会見を開き、政策協定の合意に達したとして、両党の連立発足を宣言した。両党だけでは下院の過半数に達しないため、農民党及び家族同盟(LPR)の一部と連立参加の交渉を継続しており、改造連立内閣はイースター後に成立の見込み。一部で伝えられていたカチンスキ党首への首相交代は無く、マルチンキェヴィチ首相が続投する。カチンスキ党首は、「ポーランド国民が(選挙以来)6ヶ月待ち望んだ議会多数派政権が出来た。」と述べた。

 新内閣では、レッペル党首が副首相で入閣し、農相か社会政策相を兼任する見込み。他に、「自衛」からチャルネツキ欧州議員がスポーツ相、経済相には「自衛」と協力関係にあるビエィン・ワルシャワ経済大学教授が噂されている。農民党からは、ジェリホフスキ元環境相の環境相就任か、カリノフスキ元農相の農相就任が有力視されている。LPRからは反主流派議員5名が離脱して連立に加わり、コヴァルスキ議員の運輸・建設相就任が噂されている。メレル外相は辞任の可能性が高い。

 各紙は、これまで6回の有罪刑事判決を受け、極端な発言の多いレッペル氏の入閣はポーランドの対外的イメージを損なう可能性が高い、と論評している。欧州委では、(VATでは無い)取引税の導入など、EU法規違反の主張を行う同氏の入閣に際し、ポーランド政府にEU法規の遵守を改めて求める書簡を準備中とされている。

 

2.全国で医師、看護婦の賃上げ要求スト。

 4月7日、全国医師労組(OZZL)の組織により、全国の病院で医師、看護婦が1日ストを行い、約70%の医師が登院せず、各地で病院が閉鎖状態となった。要求は30%の即時賃上げ。下カルパチア県では、同13日に至ってもZUS処方箋への署名拒否などの抗議行動が続いている。

 同13日、レリガ保健相は、来年度には30%の賃上げを全面実施し、今年度は健康保険基金の在外(EU)治療予備金を財源に、第4四半期のみ賃上げを行うと発表した。ギロフスカ蔵相は、現行の医療費制度では来年度の30%賃上げは不可能としており、保健省では、現在は無料の、薬品以外の診察料の導入を検討している。

 

3.検事局、「ラジオ・マリヤ」の造船所救済マネー疑惑で調査に

 4月11日付の各紙は、「ラジオ・マリヤ」が「グダィンスク造船所救済」の募金で集めた金の一部を株式投資に運営し、4百万PLNの損失を出した件で、検事局が、募金の目的外の使用は違法行為の可能性があるとして調査に乗り出したと報道した。

 ラジオ・マリヤは、1997−98年に、倒産の危機が伝えられたグダィンスク造船所の救済のためとして、募金キャンペーンを行い、数千万PLNを集めたが、同造船所には資金は全く渡っていない。

 

4.教皇訪問の日程発表

 4月8日、司教団事務局は教皇ベネディクト16世のポーランド訪問日程を発表した。

 日程は、5月25日にワルシャワ到着、26日:ピウスツキ広場でミサの後、チェンストホヴァに移動し、ヤースナ・グーラ修道院でミサ、27日:クラクフ訪問。ヴァドヴィツェの前教皇の家、受洗教会等の訪問、(前教皇が良く通った)Kalwaria Zebrzydowskaの教会も訪問し、28日にはアウシュヴィッツ強制収容所跡を訪問して帰国する予定。元ヒトラー・ユーゲント(青年団)団員である教皇のアウシュヴィッツ訪問が注目されている。