ポーランド政治・社会情勢(2月23日〜28日)
1.カチンスキ大統領、法相時代に特定新聞記者に尾行、捜査指令
2月27日、ポーランド語版NEWSWEEKは、2001年にカチンスキ法相(現大統領)とワッセルマン全国検事長代理(現情報機関調整担当相)が、ジェチポスポリタ紙の記者2名が、国家保安庁(UOP)の依頼でカチンスキ氏ら3名の政治家を追い落とすための取材を行っているという報告により、8ヶ月に渡る捜査を実施していたとのルポを掲載した。本件捜査の関連文書は現存し、一方両記者の疑惑は事実無根と判明している。カチンスキ大統領らの責任や、メディアと捜査当局のあり方などを巡って、大きな議論を呼んでいる。
当時、カチンスキ法相らにこの風聞を正式報告書として提出したのはクルク法相政務室長(現全国ラジオ・テレビ委員長)。特別捜査チームは担当検事だけで3名の陣容で、尾行、関係者の事情聴取、携帯電話通話記録の調査等を行い、4千ページの捜査記録を作成した。対象は疑獄等の調査報道で有名なB.キッテル、A.マルシャウェクの両記者。
2.ラジオ・マリヤ系TVに、クリスマス・チャリティー大オーケストラ財団への謝罪命令
2月27日、ヴロツワフ地裁は、ラジオ・マリヤ系のTV Trwamに、「クリスマス・チャリティー大オーケストラ」財団に対する名誉毀損の謝罪広告を命ずる判決を下した。
TV Trwamは、「チャリティー財団」が毎年夏に開催するチャリティーロックコンサート「Woodstock」で、麻薬販売や児童の飲酒があるなどと中傷するドキュメントを作成、何度も放映し、名誉毀損で訴えられていた。「チャリティー財団」の募金活動には毎年多くの参加があり、市民から高く評価されている。
3.家族同盟、スーパーマーケットの日曜休業法を提出へ
政党「家族同盟」は、日曜・祝日に商店の全面休業を義務化する法案を提出すると発表した。過度の消費を抑制し、日曜はミサに通って家族で過ごすという「伝統的な」姿を取り戻すのが目的としている。従業員5名以下の小商店と、薬局等社会生活上必要な業種は対象外とされ、主に大規模店を狙い打ちする法案となっている。
同種の法案はこれまでも何度か提出されてきたが、今回は政党「自衛」が賛成を表明し、与党「法と正義」も好意的なため、成立の可能性が高くなっている。世論調査では、「日曜の買い物はレジャー」、「土曜日に混雑が集中する」などと半数以上が日曜閉店に反対しており、雇用への影響も懸念されている。
4.「安定協約」早くも不安定に
「安定協約」による与党「法と正義」、政党「自衛」、家族同盟の閣外連立が、早くも不安定さを見せている。2月26日には、児童人権擁護官の選出で、家族同盟は自党の候補を外されたため、「法と正義」のパクラ=サハルチュク候補を支持せず、選出自体が見送られた。ユーレク下院議長によるヒンツ総労働監督官の解任提案では、レッペル「自衛」党首(労働監督評議会担当の下院副議長)が、カチンスキ与党党首を批判した。また、レッペル党首は、政府が農業用燃料の物品税還付法案(「自衛」提案)をEU規則違反として修正したことに遺憾の意を表明した。カチンスキ与党党首は、「安定協約での協力は困難さを増しているが、まだ続いている。」と述べた。