ポーランド政治・社会情勢(7月6日〜12日)
1.ロンドン・テロでポーランドの犠牲者は3〜4名か
7月7日のロンドンの地下鉄等爆破テロ以降、イギリス在住のポーランド人で大使館が連絡未確認となっているのは10名。ただしテロの犠牲者はKarolina Glueck 他女性3名と推定され、他の人々は他の何らかの理由によるものと推測されている。
ロンドンには現在約10万人のポーランド人が居住していると推計されており、その多くが建設労働者、清掃員、パブ店員、バス運転手などの仕事に従事している。(合法的就労者はイギリス全国で10万人)。
また、テロ事件直後に戻った、ルブリン在住のパキスタン系英国籍人に対し、13日、国内保安庁(ABW)は事件との関係について正式捜査を開始した。
2.乾燥で穀物被害が深刻に
晴天が続くポーランドでは、収穫期間近の乾燥のため、小麦、ライ麦などの穀物が、結実せず立ち枯れが相次いでいる。特に西部、北部、北東部が深刻。ポーランドの穀物総収穫量は、昨年は約3000万トンだったのが、今年の見積もりは約2200万トンと、約30%の減少の落ち込みが予測されている。結実不良のため、収穫可能な穀物でも品質の落ち込みが予想され、買い付け価格が1トンあたり400pln(昨年実績)から、320plnに落ち込むと言われている。
この不作も、国内及びEU全般に穀物在庫が慢性過剰のため、小売価格には影響はない見込み。
3.自衛の選挙戦略
政党「自衛」の支持率が持ち直している。一時期は10%を下回っていたのが、最近は14〜16%と、次期連立与党とされる市民プラットフォーム(PO)、法と正義(PIS)に続いて第三党の地位を固めている。レッペル「自衛」党首は、選挙戦術でマスコミ相手よりも地方回りを優先させ、過去数ヶ月、全国を回ってキャンペーンを行い、支持層固めに動いている。
「自衛」では、レッペル党首自身が四つの有罪判決を受けており、ベゲル、ホイヤルスカ、スウェク等の下院議員も有罪確定判決(器物毀損罪、名誉毀損等)を受けているが、次期選挙では現職議員は全員立候補する予定。候補者には当選後の党離脱禁止と、党を名宛人にする額面白地の手形の提出を要求している。
4.ヤロスワフ・ワレサ、POのグダィンスク選挙区から立候補
7月11日、ワレサ大統領の4男で、同大統領の秘書を務めるヤロスワフ・ワレサ氏が、次期下院選挙で、市民プラットフォーム(PO)からグダィンスク選挙区で立候補すると表明した。
ワレサ家は4男4女の兄弟だが、ヤロスワフ氏以外は政治に関与していない。
5.チモシェヴィチ下院議長、オルレン特委の証言を拒否。委員の解任を要求。
7月9日、下院オルレン特委はチモシェヴィチ下院議長(大統領候補)を証人に喚問したところ、同議長は、同委員会では委員8名の内7名に政治的偏向があるとして解任を要求し、退席した。直後の記者会見で、同議長は、「委員会は大統領選挙に証人喚問を利用しようとしている。一部の議員の態度は噛みつけないなら尿だけでもかけようとする犬と同じだ。」と発言した。
この議長の要求については、オルレン特委が独自に決定を行うか、議長、副議長(四名)で構成される下院幹部会が担当するかで意見が分かれたが、委員会全体の構成に影響が及ぶため、幹部会が決定することとなった。ただし、チモシェヴィチ議長自身と、同じく大統領候補であるトゥスク副議長は幹部会での採決を欠席する。
委員会では、チモシェヴィチ議長の喚問理由を、同議長が首相在任当時の1997年に、オルレン等に独占的にロシア産の原油を納入するJ&S社と、政府との関係を聴取すること等を挙げていた。他方、委員の一部は同議長の社会主義時代の公安協力歴を問題にすると発言していた。
6.ラジオ・マリヤのヤースナ・グーラ巡礼に20万人が参加
7月10日、ラジオ・マリヤ(本部:トルン)の支持者約20万人が、ヤースナ・グーラ修道院(チェンストホヴァ)巡礼に参加し、ミサに参加した。「マリヤ」局と主催者のリズィク神父を支持するウォヴィチのザヴィトコフスキ司教は、「ゲイと異教徒は天国の門をくぐれない」、などと述べた。