ポーランド政治・社会情勢(6月22日〜28日)

 

1.ヨハネ・パウロ2世の聖人列審査開始。

 6月28日、ローマの聖ヨハネ聖堂で、前教皇ヨハネ・パウロ2世を聖人に列するための審査委員会の任命式が行われ、正式に手続が開始された。聖人に列するためには、その事跡の調査や確認が必要で、先年聖人に列せられたマザー・テレサなど、通常2年程度かかっている。なお聖人には最低一つの何らかの「奇跡」が必要で、最近の例ではガン患者の回復が多い。

 

2.チモシェヴィチ下院議長、大統領選立候補へ

6月28日、チモシェヴィチ下院議長は、母校ワルシャワ大学の法学部終業式で、5月には一度否定した大統領選挙への立候補を表明した。選挙民の期待に応える必要がある、というのがその理由。同日のOBOP電話調査では、支持率27%を記録した。選挙対策本部長にはクワシニェフスカ大統領夫人が就く見込み。チモシェヴィチ候補は民主左翼連合(SLD)出身ながら「党派を超えた候補になる」としているものの、一部元連帯活動家などスカウトされた人物を除けば、選対にはシマイジンスキ国防相、チャジャスティ元ラジオ・テレビ委員、ロットフェルド外相など、SLD関係者がほとんどを占めている。

 

3.リヴィウのポーランド兵士「オルロント」墓地再開

6月24日、数年間の議論を経て、ウクライナ・リヴィウ(ポーランド語名ルヴフ)の、ポーランド兵士墓地「オルロント(若鷲)」が正式に再開した。記念式典にはポーランド、ウクライナの両国大統領の他、数千名が参加した。参加者のほとんどは本国から参加したポーランド人で、地元ウクライナ住民の関心は低く、墓地以外のリヴィウ市内は普段の様子と変わらなかった。

オルロント墓地は、第一次大戦後にリヴィウを巡ってウクライナ軍と闘ったポーランド兵の戦没者墓地で、ウクライナ人には大戦間期のポーランド支配の象徴と映り、再公開にはウクライナ世論の一部及びリヴィウ市議会の説得に長期間が必要となった。今回の公開で、両国間の象徴的な問題が解決したことになる。

 

4.ガソリン価格急騰のきざし

ガソリンの値上がりが懸念されている。ワルシャワのスタンドでは95無鉛で既に1リットル4.2plnとなり、国内最大手のオルレンと、2位のLotosグループは今後の値上げを示唆している。

原油高に加え、ポーランドの石油会社は原油輸入をドル決済しており、今後ドルの対ズウォティ相場の上昇が見込まれているため、値上げに拍車がかかる怖れが有る。グロニツキ財務相は、石油の間接税率引き下げは検討していないと発言した。

 

5.L.カチンスキ、ヴァホフスキへの名誉毀損で有罪判決

 6月24日、ワルシャワ管区裁(第一審)は、L.カチンスキ・ワルシャワ市長(大統領候補)に対し、名誉毀損罪で罰金1万PLNと赤十字への強制寄付5,000PLN、謝罪広告掲示、の判決を下した。2001年に、同市長(当時は法相)がラジオで「M.ヴァホフスキ(ワレサ大統領時の大統領官房長官)は常習犯罪者」と発言した件で、ヴァ元官房長官が告訴していたもの。

裁判所は、法的訴追等が採られていない場合は犯罪者とは言えず、名誉毀損に当たると判断した。カチンスキ市長は即日控訴した。ワルシャワ上級裁での二審判決は大統領選挙以降となる見込みで、同選挙には影響はない。

しかし、法律上、地方自治体の首長は刑事上の有罪判決を受ければ失職する規定のため、もし大統領選に敗北し、二審で有罪となればワルシャワ市長の臨時選挙となる。SLD、社民党はカチンスキ氏の政治引退を求めている。

 

6.イチゴ価格急落で園芸農家協会が抗議

6月23日、全国園芸農家協会は、農業省前で中国産イチゴ輸入の制限をEUに要求するデモを行った。中国産の安価な冷凍イチゴ輸入が急増したため、国内加工業者の買い上げ価格は、1キロ当たり0.4〜0.6plnと低迷している。ポーランドでのコストは通常キロ当たり1PLN。業界ではイチゴ摘み労働者の人件費削減などで何とか対応してきたが、「限界に来ている」と主張している。

 

7.ワルシャワで「牛のパレード」開始

6月24日、ワルシャワ市内の各所では、鉄製の牛に思い思いの色彩をこらした像が置かれた。元々はバルセロナで始まった「牛のパレード」に今年はワルシャワが名乗りを上げたもの。市全体で約100頭が配置され、それぞれ別々の彩色・デザインとなる。期間は90日で、その後はチャリティー目的での販売が予定されている。

 

8.休暇シーズンがそろそろ始動

大学が続々と休暇に入り、小中学校も6月24日で授業が終了した。ツーリズム研究所の発表では、今年は延べ660万人、前年比5%増の人々が海外で休暇を過ごす予定。特に、「ゴールデン・ビーチ」を始めとするブルガリアも人気を回復し、約11万人が既に予約済み。