ポーランドの大統領選挙
2005年6月
政 務 班
1.大統領の任期
任期は5年。クワシニェフスキ現大統領の任期は、2005年12月22日まで。
次期大統領は、同12月23日に上下両院総会で宣誓し、職務を開始する。
*憲法上、再選は一回のみと規定されているため、現大統領は引退。
2.大統領選挙の日程
○8月25日 立候補者登録締切り
○9月24日〜10月7日 マスコミでのキャンペーン可能期間
(○9月25日(日) 国会選挙)
○10月9日(日) 第一回投票(一候補が有効投票の過半数を獲得すれば当選)
【どの候補も過半数を獲得できない場合】
↓
○10月23日(日) 第二回投票(上位二者の決選投票。獲得票数の多い方が当選)
3.選挙制度
(1)立候補資格:35歳以上のポーランド市民。登録には10万人の署名が必要。
(2)選挙の方法:普通、平等、直接選挙で、秘密投票。
選挙民は、投票する候補者の欄に印を付ける。
*第三共和制(1989年〜)の歴代大統領
ヴォイチェフ・ヤルゼルスキ 1989年7月〜1990年12月(両院総会で選出)
レフ・ワレサ 1990年12月〜1995年12月
アレクサンデル・クワシニェフスキ 1995年12月〜2000年12月(第一期)
2000年12月〜2005年12月(第二期)
4.今回の大統領選挙の特徴と見通し
○国民の政治不信、政党不信が高く、特に決選投票では浮動票の動向がカギ
○単独で過半数獲得の可能性のあるような、有力候補者が不在。
【原因】1.母体となる政党自体に、社会主義時代の体制・反体制派、経済政策の違い、社会格差拡大による支持層の分化、組織的・大衆的基盤の無さ、により、多党化傾向。
2.各党とも、同時期に実施される国会選挙で勝利するためには、より関心が高い大統領選挙でもアピールする必要がある。このため党派を越えた統一候補の擁立が出来ない。
【見通し】決選投票に残る候補はカチンスキ、チモシェヴィチ、レリガ、トゥスクが有力。世論調査でも頻繁に支持率が入れ変わるので、現時点ではこれ以上の見通しは困難。
主な候補者のプロフィール
*名前の後の支持率は6月27日発表のOBOP調査結果
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1.チモシェヴィチ下院議長(Wlodzimierz
Cimoszewicz) 27% 支持母体:民主左翼連合(SLD)。ただし本人は「全左派の代表」を目指す。一度は立候補を辞退したが、大統領などに「説得されて」出馬を決意。1990年大統領選で落選。以後法相、首相、外相、下院議長など歴任。欧州統合支持。経済政策などは現状維持路線。55歳。 |
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2.カチンスキ・ワルシャワ市長(Lech Kaczynski) 17% 支持母体:法と正義(PiS)。J.カチンスキPiS党首の双子の弟。 旧反体制派出身で、政治キャリアは長い。1989年以来の現「第3共和制」は左派政党による構造汚職体制にあると厳しく批判し、左派から反感が強い。経済政策では福祉重視の国家介入型。最高監査院総裁、法相等を歴任した。欧州憲法条約には反対。同性愛者行進の禁止などで保守層に支持。56歳 |
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3.レリガ上院議員(Zbigniew Religa) 19% 支持母体:中央党他。主要候補者の中で、唯一政党基盤を持たない「市民候補」。 心臓外科医としては世界的に有名。政治的には、左右両派を行き来してきた。誠実、温厚な人柄を表面に出して一般的な人気があり、カチンスキ候補らの強硬姿勢を危険視する穏健派の支持有り。政策は穏健な現状改革派で、自治体の強化を主張。欧州統合支持。66歳。 |
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4.トゥスク下院副議長・市民プラットフォーム党首(Donald Tusk) 14% 支持母体:市民プラットフォーム(PO)。90年代に30代前半で政界にデビューしたが、これまで常に党務中心で、閣僚就任の経験がない。PO立ち上げで政治的成功を収め、温厚な人柄は人気があるが、大統領候補として印象が弱い評判有り。欧州憲法条約には反対。社会福祉よりも成長重視による雇用拡大を訴え、直間共通税率15%の導入を公約。48歳。 |
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5.ボロフスキ社会民主党党首(Marek Borowski) 6% 支持母体:社民党(SDPL)。SLDの最高幹部として副首相兼蔵相、下院議長等を歴任してきたが、2004年4月に仲間と共に離脱、社民党を立ち上げた。党勢は当初は支持率13%を記録したが以後は4〜7%代。現場からたたき上げた経歴から「真の社会民主主義者」の評判有り。チモシェヴィチ候補と左派票を争うのが苦戦要因。欧州統合支持。経済政策は現状維持的。59歳。 |
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6.レッペル「自衛」代表(Andrzej Lepper) 10% 支持母体:「自衛」党。「国有財産を盗む泥棒」を糾弾し、カトリックの伝統を重視し、ポーランドの価値を重視する「低所得者層の真の味方」を標榜。極端な発言から一時期は人気が高まったが、最近の支持率は落ち着き気味。欧州憲法条約反対。外貨準備取り崩しによる最低賃金の引き上げや福祉上乗せを主張。51歳。 |
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7.ギェルティフ欧州議員(Maciej Giertych) 3% 支持母体:ポーランド家族同盟(LPR)。R.ギェルティフLPR党首の実父。大戦間期にR.ドゥモフスキに師事した父の影響を強く受け、右派的な国民民主主義の流れを汲む。50年代に英国、カナダに留学。反独親露で、カトリックの価値観と、ポーランドの伝統的民族性を第一に置く。欧州憲法条約反対。政党支持率は15%程度。69歳。 |
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8.ボフニャシュ・ポーランド雇用者連合代表(Henryka Bochniarz) 1% 支持母体:民主党。米国生活が長く、改革後はコンサルタント会社を経営し、各種活動から財界での信頼が厚く、スポークスマン的な役割も果たす。91年に商工相として閣僚経験有り。女性で人望があるが、今回の立候補はむしろ時期大統領選への布石との噂もある。58歳。 |
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9.カリノフスキ農民党最高評議会議長(Jaroslaw Kalinowski) 1% 支持母体:農民党(PSL)。農民党で地方議員からたたき上げ、97年に農民党党首、副首相兼農相として入閣。2001年のミレル内閣で再度農相に就任し、農業分野でのEU加盟交渉を推進。一時は農民のEUアレルギーから人気が落ち党首も辞任したが、信望を取り戻し今年に返り咲いた。43歳。 |
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