ポーランド政治・社会情勢(3月9日〜15日)

 

1.政府、2005−08年の財政戦略案を公表

3月10日、グロニツキ蔵相は、今後の予算案作成の元となる「2005−08年の公共財性管理戦略」案を発表した。主要なポイントは次の通り。

2008年までに個人所得税(PIT)、法人所得税(CIT)、付加価値税(VAT)の統一税率制度を導入し、税率は18%とする。VAT税率も全て18%に)。ただし導入は段階的を実施する。

○新規投資関連では50%免税の優遇制度を導入する。

2008年までに財政赤字を対GDP比2.8%とし、2009年にユーロを導入する。

スロヴァキアのような統一税制を改めて打ち出したことが注目を集めた。年内の内閣交代が必至な中で、実現性は疑問視されているが、次期内閣の政策に影響を与える可能性もある。ただし、所得減税の一方で2006年に45億3,000万、2007年には124億1,000万の支出削減を予定するなど、実現困難との批判も多い。

 

2.大統領、モスクワの対ファシズム勝利60周年記念式典に参加を決定

3月9日、クワシニェフスキ大統領はリトアニアを訪問し、アダムスクス・リトアニア大統領と会談した後、モスクワでの対ファシズム勝利60周年記念式典に参加を決定したと発表した。最近、ロシア外務省が、ヤルタ会談で、ポーランドはソ連のお陰で(旧独領を獲得し)領土を拡大した、ポーランドの一部世論はその歴史的事実を歪めているという「見解」をホームページ上で発表したため、この式典出席についても、野党などから見合わせるべきだという声も上がっていた。ポーランドは、ロシアがポーランドの独ソ分割を定めた、いわゆるモロトフ・リッベントロップ秘密議定書でも、ロシアの「ナチス・ドイツに対抗するための防衛的措置」という見解で対立している。

リトアニアはエストニアと共に大戦直前のソ連による併合に抗議し、大統領は参加しない。クファシニェフスキ大統領はアダムスクス大統領に自らの立場を説明し、公表したものと推測されている。ポーランドの各紙は、ポーランドの第二次大戦での貢献からも、大統領は式典には参加すべきであり、ただし今後然るべき見解をロシア側に伝えるべきだ、としている。

 

3.南部で洪水発生の危険?

 3月では例外的な大雪が続いたため、チェコやスロヴァキアの国境地帯では記録的な積雪を記録している。3月15日、チェコでは、政府危機管理局が、急に気温が上昇すれば洪水の危険が十分あるとして、各方面に緊急警戒態勢を発令した。

 天気予報では、ここ数日間に気温が10度近くまで上昇し、しかも雨が降る可能性が高いとしている。現在のところ各河川の水位に危険な徴候はなく、各県の危機管理センターでも心配は無いとしているが、1997年の洪水の記憶が未だに残る中、下シロンスク県などでは不安の声が出ている。

 

4.各地のレストランで週末の結婚披露宴の予約が急増

 ワルシャワのレストランでは、週末の団体予約は結婚披露宴で1年先まで埋まっているところが多い。レストランの数が少ない地方都市ではより深刻で、オポーレ県のグウゴヴェクという町では、2006年7月まで週末貸し切りが続いている。「会場を予約してから相手を探した方が良い」とのジョークも生まれている。

 原因は、人口動態から、結婚適齢期を迎える層が急増していることで、現在年間の婚姻数は約19万件を数える。政府統計局では、今後数年はこの傾向が続き、3〜4年後に年間20万件を越え、その後減少すると予測している。現在のポーランドの平均結婚年齢は、女性24.3才、男性26.3才。レストランの予約満杯は、全体的に結婚式が派手になっているのも原因で、80年代には、農村は勿論、都市部でも自宅で行う例が珍しくなく、90年代でも公民館などの施設を利用する場合が多かった。最近は、式場飾り付けの専門業者も繁盛している。

 

5.大統領の評価、急落

 3月7日に下院オルレン特委での証言を突然拒否し、記者会見でも興奮した様子が伝えられて以来、クファシニェフスキ大統領に厳しい評価が続き、雑誌でも特集が続いている。

 ポーランド語版Newsweek誌は記事の始めに、

 「(大統領が)共同で作った国家は修繕が必要であり、自ら作った政党は分裂状態にある。

彼の官邸のスター数名が検事局の捜査を受け、彼自身を敗北と孤独がおそう。危機の終了の希望は見えない。」と記した。