1.オレクスィ下院議長が辞任、後任にチモシェヴィチ外相を選出
1月5日、オレクスィ下院議長は社会主義時代の軍情報部協力歴に関する虚偽の有罪判決(下記2.)を受け、辞任した。後任には、与党民主左翼連合(SLD)のチモシェヴィチ外相が、労働同盟(UP)、社民党等の左派の支持により選出された。同外相は、後任にロットフェルド外務副大臣(無党派)を推薦、これを受けたベルカ首相の推薦で、クワシニェフスキ大統領派は同副大臣を外相に任命した。
オレクスィ前議長は、自身の潔白を主張し、ただし「公人としてあるべき行動をとる」として辞任を表明、チモシェヴィチ外相は、「政党宣伝の場と化している現在の下院の状況を変えたい」とし、また「個人的には」春の解散を支持する、と述べた。与党と社民党では、「チモシェヴィチ外相を左派の新たな旗頭に」と期待が出されている。
2.オレクスィ下院議長、旧軍情報部との協力歴で虚偽申告の判決
12月22日、社会主義政権時の情報・謀略機関に対する協力歴を審査する特別法廷(第一審)は、オレクスィ下院議長の協力歴否定を虚偽と判断した。1970年代に、同議長が軍の情報・謀略部に、秘密協力者として定期的に情報提供候補者などを報告し、報酬を得ていたとするもの。オレクスィ議長は全面否定し、直ちに控訴すると表明した。
ポーランドでは、第一審判決は控訴により法的効力を失う。第二審はワルシャワ高裁が担当し、そこでも虚偽と判決されれば、上訴の有無にかかわらず法的効力が発生し、オレクスィ氏は国会議員職を含む公職から10年間追放される。なお同氏は、5日前に選出されたばかりのSLD党首(公職には該当せず)は続投の意向。
3.ベルカ首相、PZU民営化で蘭企業に株式購入を助言か
1月3日、ジェチポスポリタ紙は、ポーランド最大の国営保険会社PZUの株式売却・民営化に関し(本メール通信前号)、当時EUREKO社の社長だったJ.Talone氏が、2003年に国際仲裁裁判所で証言した内容を入手、報道した。
主な点としては、(1)2000年に、当時のPZU社長が100万ドルのリベートを要求した(目的は不明)、(2)当時のボンサチ国財相がEUREKOが出資するミレニウム銀行(本部グダィンスク)のコット頭取の追放を要求した、(3)当時ミレニウム銀行の理事だったベルカ氏は、EUREKOに既保有のPZU株式31%に加え、更に21%の株式取得を助言した、といったもの。
この発言は他のマスコミにも大きく取り上げられ、下院のマルチンキェヴィチ国有財産委員長は、「ベルカ首相は、当時民間人だったとは言え、国の戦略的重要企業の命運に関し、国家の利益に反する行為を行った。」と批判した。与党は、PZU民営化に関する特別調査委員会の設立を提案し、野党も賛成の方針。
4.クワシニェフスキ大統領、「春解散」に向けて巻き返し。ベルカ内閣の寿命は6月までか。
12月30日、クワシニェフスキ大統領はオレクスィ党首他のSLDの最高幹部を招聘し、2005年の政治日程について協議した。大統領は2005年の政治日程として、(1)オレクスィ下院議長の1月3日の辞任表明、(2)後任にチモシェヴィチ外相を推薦、(3)国会選挙は(秋ではなく)6月、(4)秋(おそらく10月)の大統領選挙第一回投票と欧州憲法条約批准国民投票を同時に実施、(5)大統領が左派統一選挙共闘を後援し、大統領の左派統一候補の擁立を目指す、を提案した。
この内国会の春解散・選挙については、SLD内で「選挙に不利」と反対が強く、一時は大統領も事実上断念したと見られていた。今回反対派の中心であるオレクスィ党首が、上記のとおり難しい立場となったため、大統領が巻き返しを再開したと見られている。ただし、党内には異論が強く、左派系の「トリブナ」紙は、「わざわざ野党に贈り物をする必要はない」と批判している。
5.リャド(サウジアラビア)でポーランドのシャム双生児分離手術成功
1月3日、ポーランド人のシャム双生児姉妹(年齢1才3ヶ月)が、リャドで15時間にわたる分離手術を受け、成功し、マスコミは大きく取り上げた。成功予測率は70〜80%と言われていた。
手術を受けたのは、クヤーヴィ・ポモージェ県居住のヴィエスワフ・ドンブロフスカ氏の双子の姉妹、ダリアとオルガで、サウジアラビアのアブドゥラ皇太子がスポンサーになった。母親が解説した手術の支援を訴えるインターネットを見たサウジアラビアの医師が、同国のアブドゥラ皇太子に報告すると、直ちにサウジ医師団による援助が決定されたもの。手術に参加した医師等は70名に達した。
6.カシューブ語ラジオ放送「Radio Kaszebe」、近日放送開始
全国初のカシューブ語ラジオ放送局が、近く放送を開始する見込みになった。電波割り当ては、ポモージェ県のカシューブ人住民団体が獲得し、ラジオ局はヘル半島付け根のヴワディスワヴォヴォに所在する。代表者は「フォークロア放送局ではなく、ニュース解説等、通常のラジオ番組を編成し、公共生活に於けるカシューブ語の発展を目指す」としている。現在、公式統計ではカシューブ語人口は約5万だが、グダィンスク大学の調査では約35万。2005年からは、大学入学資格試験(マトゥーラ)に「参考科目」としてカシューブ語試験も導入される。
*カシューブ語:ポーランド北西部居住のカシューブ人の言語。西スラヴ語に属し、ポーランド語に極めて近い。カシューブ語がポーランド語の方言か独立言語かについては異説があり、従来ポーランドでは方言と扱われてきたが、最近では独立言語とする見解が増えている。少数民族法では、カシューブは(民族ではなく)「少数言語」という独特のステータスを与えられている。市民プラットフォーム(PO)のトゥスク党首はカシューブ人。