ポーランド政治・社会情勢(11月24日〜30日)
1.ポーランド、ウクライナ大統領選挙で仲介役に
ウクライナでの大統領選挙を巡る対立で、クワシニェフスキ大統領は、クチマ大統領とユシチェンコ同候補の要請を受け、対話の仲介役を引き受けた。11月26日と27日にはキエフを訪れ、関係者が事態の解決に向けて開催した「円卓会議」に参加した。同会議には、アダムスク・リトアニア大統領とソラナEU共通外交・安保政策(CFSP)上級代表も参加した。クワシニェフスキ大統領は、事態解決のポイントとして、(1)不正な選挙結果の是正、(2)与野党の対話、(3)新政権の西側、ロシア双方への友好的関係、(4)実力行使の絶対排除、を挙げた。
同大統領がウクライナの与野党双方から仲介を受けた理由として、各紙は、過去10年間にわたるポーランドとウクライナの良好な関係、旧共産党出身ながら国民の信頼を得る同大統領の柔軟性、クチマ大統領との信頼関係、を指摘し、「クワシニェフスキ大統領ならウクライナの特別な事情を良く理解し、極端な提案はしない」、と期待が持たれたとしている。米国のパウエル国務長官らも、同大統領の仲介努力を評価した。
クワシニェフスキ大統領は、11月30日にはブッシュ米国大統領やシラク・フランス大統領とも電話会談し、12月1日に再度キエフを訪問、仲介に当たる予定。
2.ポーランド各地でウクライナの民主化を支持する集会、デモが開催。
11月25日、26日の週末を中心に、若者を主体とするウクライナ「オレンジ革命」を支持する集会、デモが開催された。ワルシャワでは、「ウクライナとの連帯」と題する野外コンサートに、悪天候にもかかわらずマゾヴィエツキ元首相等、数百名が参加した。
3.政府、付加価値税(VAT)の19%税率一本化を検討
11月29日、ハウスネル経済担当副首相は、政府は付加価値税(VAT)の税率変更と、優遇税率廃止による一本化を検討していると述べた。現在の標準税率22%を19%とし、一方で歳入不足を防ぐため、食料品、学用品等に適用されている三段階の優遇税率(0%、3%、7%)の廃止も検討している。法案の具体案は未公開だが、今後大きな議論になるのが予測される。
4.下院、2005年度予算案を可決。上院審議へ。
11月29日、下院は2005年度予算案を、政府原案を修正の上可決した。歳入1,737億pln、歳出2,087億plnで、対前年度予算比で各々約10%強の増加で、赤字幅は453億plnから353億plnに圧縮されている。
下院での修正はワルシャワ地下鉄整備、警察・国境警備強化などに各々1億〜1億4,500万程度上乗せし、財源にVATの増収6億、取引税から1億2,000万増収を期待するもので、楽観的との批判のまま通過した形となり、政府の政治力の無さが目立った。
また、個人営業者の社会保障費引き上げと、年金生活者の別所得を制限する法案が19日に否決されたため、約30億plnの歳入不足が続くことになった。市民プラットフォーム(PO)は歳入不足のままの採決は見送るべきで、政府の自己訂正を要求したが、与党に押し切られた形となった。
5.グロニツキ財務相、ガソリン、アルコール税引き上げを示唆
11月23日、グロニツキ財務相は、19日に下院で否決された個人営業者等の社会保障費引き上げ法案が、(上院差し戻しでも)再度否決される場合は、財源確保のため、ガソリン、アルコール、タバコ取引税を引き上げたいと表明した。提案では、ガソリン取引税を1リットル当たり0.1pln引き上げ、現行の1.46plnから1.56plnに、軽油1.14→1.18、タバコ1箱2.85→3.28、などとなっている。
6.全米ポーランド人協会、モスカル氏を会長に再選
11月19日、全米ポーランド人協会(The
Council of National Directors of the Polish)は
シカゴで総会を開催し、エドワルド・モスカル氏(Edward J. Moskal)を会長に再選した。モスカル氏は40年近く会長を務めており、近年はその反ユダヤ主義的発言から全米ユダヤ人協会等と対立関係にあり、米国政府とも事実上断絶状態にある。教会司祭を解任されたグダィンスク・聖ブリギダ教会のヤンコフスキ神父は、モスカル氏との親交で知られる
7.マクドナルドのポーランド代表、米国でのドキュメント映画には反論せず
米国で作成されたドキュメント映画で、マクドナルドを食べ続けると肥満になることを訴えた「Super Size Me」がポーランドでも上映される。ファスト・フードが不健康というキャンペーンも同時上陸の見込み。ポーランド・マクドナルドでは、「映画にはいちいち反論しないが、スポーツ振興やサラダメニューを強化している。」と見解を発表した。
ポーランドのマクドナルドは全国で207店舗。一日当たりの客数35万人。